結露リスクを正しく理解し、快適な住まいを実現するために
結露リスクを正しく理解し、快適な住まいを実現するために
住宅の結露は、建物の耐久性を損ない、住環境に悪影響を与えます。特に壁内部で発生する「内部結露」は、木材の腐食やカビの繁殖を引き起こし、建物の寿命に深刻な影響を及ぼします。結露リスクを正確に把握し、適切な対策を取ることが快適な住まいの実現には不可欠です。
結露のメカニズムとリスク
結露は、温度差が原因で湿気が水滴として現れる現象です。特に高気密・高断熱住宅では湿気が滞留しやすく、以下のようなリスクが高まります。
1.木材の腐食
湿気が構造材に影響し、建物の耐久性を低下させます。
2.カビの発生
壁内や室内に発生したカビは、健康に悪影響を与え、居住者の生活の質を下げます。
3.断熱性能の低下
結露が繰り返されることで断熱材が劣化し、住まいの断熱性能が低下します。
結露を防ぐためのポイント
1.適切な素材選び
壁を構成する断熱材、耐力面材などの素材には、透湿性や防湿性など素材ごとの特性を考慮し、適切な組み合わせで選ぶことで、湿気の侵入と滞留を防ぎます。
2.防湿層の設置
防湿シートを壁の室内側に設ける事で、湿気が壁内部に入り込むのを防止します。この層は湿気のコントロールに重要な役割を果たします。施工の精度も重要です。
3.湿気を排出する構造
対策の隙間を縫って壁内に侵入してしまった湿気を排出する仕組みを作ります。外壁と内壁の間に湿気を逃がす通気層を設け結露の発生を抑えます。
結論:結露リスクのシミュレーションで未然に対策を行う事が一番大事!
結露リスクを低減する為には、設計段階で「結露計算」を行い安全性を確認することが重要です。結露計算では以下の点を考慮し、シミュレーションする事が必要です。
1.地域特性
その地域の気候条件に応じて、結露のリスクが異なる為、外気温や湿度など地域の実態に合わせた設計が必要です。
2.壁の断熱構成
実際に使用する断熱材や防湿シートの選定と配置を適切に計画することで、湿気の侵入や滞留を抑えられます。
3.夏型結露・冬型結露のシミュレーション
夏型結露(冷房時の結露)と冬型結露(暖房時の結露)の両方をシミュレーションし、年間を通じてリスクがないか確認することが大切です。
これらのシミュレーションに基づいた設計を行うことで、住宅の結露リスクを低減し、耐久性が高く快適な住宅を実現できます。
意外と知らない暮らし方による結露
特に古くて断熱性能の低いお住まいでの暮らしに慣れていらっしゃる方にありがちな事ですが、断熱性能が低いため温まりやすい灯油のファンヒータをそのまま新築でも使ってしまうと結露リスクが大幅に高まります。飽和水蒸気曲線のお話は割愛しますが、結露を抑制するには、室温を高く保つか、空気中の水分量を減らすかどちらかしかありません。灯油ファンヒーターは灯油を燃焼し室内に大量の水分を放出しますので、結露リスクが大幅に上がります。
くれぐれも新居ではご使用ならない様お願いします。
家作りをご検討の方へ
弊社では、夏型・冬型の結露シミュレーションを行い、結露リスクの少ない断面構成の住宅をお作りしています。住宅の快適性と耐久性の向上に今後も注力し、ご家族の幸せを実現するお手伝いが出来ますよう努力してまいります。