壁と５つの時間

家を建てられた方も、これから建てようとされている方も

仕様決めで多くの方が力を注がれる「壁」。

 

多くの方はビニールクロスにされますが

漆喰や珪藻土などを使用した塗り壁や

木の板を張ったり、水性塗料などで塗装することもできます。

 

特にビニールクロスはメーカーも多く、種類も色も豊富で、

一体、どうやって決めようかと途方に暮れてしまわれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そんなときにはふと思い出してほしい

フランスの方が話してくださったことがあります。

 

フランスでは夏の長期休暇で家の改装をされる方が多くいらっしゃるそうです。

そのため、ホームセンターはプロでなくてもカンタンに工事ができるような

道具や材料も本当に充実してして、手軽に改装できる環境があります。

 

そして壁をどんなふうに改装するか決める時は

「５つの時間」を想像すると話してくれました。

 

それはその壁に

朝、さわやかな朝日が入ってきたら…

 

昼、太陽が一番高いところにきた日差しが差し込んだら…

 

夕方、あたたかな夕陽があたったら…

 

夜、照明やキャンドルに照らされたら…

 

寝る前、あかりを消して月の光がほのかに入ってきたら…

 

と、その時間にその壁がどんなふうになるのか想像するそうです。

 

「そんなふうに想像して選ぶだけでも楽しいんだよ！！」と

熱狂的に話してくれました。

 

もちろん改装後も壁にあたる光と時間の変化を見ながら、

いろいろなことを感じ、その世界を楽しんでおられるのだと思います。

 

そして来年はどうするか考えるとワクワクは止まらず

また次の改装がさらに楽しくなり、

自分の家も、家で過ごす時間も、本当に愛おしくなるそうです。

 

 

 

そんなふうに暮らすフランスの方の感性がステキだなぁ～と思いましたが、

そんなことまで考えだしたら、余計に決められないんじゃない⁉

サンプルを見てそれでそんなイメージなんてできるの⁉

と思うこともあります。

 

ですが、そんな５つの時間のさまざまなシーンを思いながら選び、

実際にそのシーンに壁を眺めてみたら、

きっと今までにないものを感じ、少し違う世界を感じられる時があるのではないかと思います。

 

庭の木の影が、家の壁や床やカーテンに揺れていたり、

夕陽で家中があたたかいオレンジ色で包まれたり、

日常に家では自分が思いもしなかった美しい世界がふとやってきます。

 

そんな時に

その家とともにその世界を満喫して心がさらに豊かになってくれる時間が

たくさんあってくれるといいなぁと思います。

 

フランス人の上級テクニックですが

今、お住まいの家でもやってみてください♪